かわりゆくもの、かわらないもの

飲み会が終わって、終電間際の電車に乗って実家に帰った。
駅から家までは歩くと30分以上もかかる。もうバスも終わっていたしタクシーにでも乗って帰ろうかと思ったけれど、なんとなく酔い覚ましに歩いて帰ることにした。

歩いてみると、一人暮らしを始めて半年そこそこなのに、風景ががらりと変わっていることに気づく。街は再開発の真っ最中で区画整理のために駅前の小さな商店街は姿を消し、マンションでも建てるのだろうか、大きな鉄板でそこかしこが仕切られている。自分の知っている姿とかけ離れているからなのか、歩きながら段々自分がここに住んでいた、という感覚が薄くなっていく気がした。10年住んだ町も半年離れるとここまで別世界のように感じられてしまうのだろうか。そう思うとどこか寂しい。

ふと空を見上げると、そこにはオリオン座。
こうやって星空をみるのも久々だなと思う。
そういえば、星空を二人で眺めたこともあったっけ。

街はいつか知らない顔に変わっていくけれど、そこに生きた記憶や思い出は変わることなく僕を待っていてくれるんだろうな。

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『キラキラ』　小田和正